スマトラゾウ

赤道直下にある世界で6番目に大きい島、インドネシア・スマトラ島。世界的に貴重な熱帯林が今も残り、スマトラゾウをはじめとした希少な大型の野生動物がすむ。

 

この環境が人間の手で破壊されている。この森は「森が減るスピードが最も速い場所」と呼ばれる。

 

1980年代から、製紙用の植林やパーム油が取れるアブラヤシ農園の造成による大規模開発が進んだことが原因だ。スマトラゾウの生息地の7割が失われたとされる。

 

その結果、人間とスマトラゾウのあつれきが深刻化している。ゾウはエサを求めて、集落や農園に現れるようになり、作物を荒らしたり、家屋を壊したりする。住民は毒物を混ぜた果物を使うなどゾウを殺し始めた。

 

1980年代はスマトラ島全域に生息していたが、今ではほとんどの州で全滅し、2400~2800頭ほどに減ったとされる。世界自然保護基金(WWF)はトヨタ自動車やソニーなどと森林保護活動に取り組み、野生のゾウが集落に近づかないように見張るパトロールなどを進めている。

 

出典 日本経済新聞1月28日より一部抜粋

 

人間と野生動物の環境との問題は、非常に難しく、今後も試行錯誤しながらのバランスが大切になってきます。